花丸シェークダウン


友人の船大工、愛媛県の池川富雄氏が自分のヨット『花丸』のシェークダウン航海に出ます。シェークダウンとはこの後、彼が世界の海に出る前に自作艇『花丸』の試運転を繰り返し、この間に発見できる全ての不都合を修正するための小さな航海です。小さいと言っても、多分北海道の僕の所までやって来るはずなので、そんなに小さいとは思えません。この間、彼のホームページ更新が困難な事も多いと思います。僕の出来る範囲で池川さんからの情報をここに掲載します。白地図に花丸の毎日の位地をで置いてみます。僕と一緒にお楽しみ下さい。

友人のヨット大工、池川富雄氏がいよいよ自分のヨット『花丸』のシェークダウンに出かける事になった。航海中は彼のホームページ更新が困難な時も多いと思われます。出来る範囲で池川氏からの情報をここに掲載します。は花丸の位地を示します。6月13日現在は未だ出航していないので松山です。(ついでで結構ですので僕のトップページも見ていって下さい。毎日更新しています。)田中輝顕
●地図が大きいので下にスクロールして見て下さい。

 

06/06/15(木) 花丸は今日松山を出航したはずです。池川さんとの連絡は携帯電話でしますが、出航前後の忙しい時はやめておきます。いずれ落ち着いたら連絡があるでしょう。

06/06/15(木) 18時23分現在 N-33°53’43 E-132°05’07 
山口県熊毛郡中尾停泊 朝7時45分松山出航、途中前線にぶつかり、疲れる。

06/06/16(金) 13時46分現在 N-33°54,67 E-131°18,62

06/06/16(金) 18時56分現在 N-33°55’76 E-130°58’26 曇り
門司停泊、上陸して風呂に行く。 漁港を探して後戻り、疲れた。

06/06/17(土)12時44分 N-34°11’57 E-131°01’23 
山口県豊浦町ひびき帆走クラブ入港。上陸、買い物、温泉、ひびき帆走クラブの鍋の歓迎会を受ける。

06/06/18(日)17時00分 N-34°38’595 E-131°38’873 曇り 終日機帆走
島根県江崎港停泊、温泉 旧友(エリエール時代のクルー)が歓迎してくれる。

06/06/19(月)19時30分現在 N-35°19’071 E-132°23’903 晴れ 宍道湖沖を隠岐の島に向かって機帆走中 午前中帆走

06/06/20(火)18時35分現在 N-36°12’099 E-133°19’689 晴れ 隠岐の島西郷町入港。HP更新、風呂、給油。
明日は直接佐渡に向かう予定。

06/06/21(水)20時00分現在 能登に向かって携帯不通圏を航海中と思われます。

06/06/22(木)12時30分現在 N-37°20’833 E-136°21’073 携帯通話圏に入る
良風にて能登沖を帆走中

06/06/23(金)8時30分現在 N-37°50’758 E-138°25’363 小雨 微風追い風機帆走中

06/06/23(金)14時20分 佐渡島両津港入港 メイル受信 写真が送られて来たので日に合わせてお見せしましょう。
明日早朝、函館に向かって出航。

佐渡島港入り口の灯台

06/06/24(土)19時30分 携帯通話圏外

06/06/25(日)8時10分 携帯通話圏外 どなたか池川さんと無線連絡の出来る方、いらっしゃいましたら花丸の現在の位置を教えていただけませんでしょうか。白地図にを置きたいのです。



佐渡島から快走中の花丸

06/06/25(日)14時30分現在 N-40°02’344 E-139°36’321 
男鹿半島北5マイル地点航海中。現在は良風だが、無風状態が続き燃料補給の為最寄りの港に寄港予定。

06/06/26(月)8時00分現在 N-41°04’468 E-140°08’911
昨夜は初めての荒天で絶好のシェークダウンになる。花丸に大きな問題なし。燃料切れで最寄り港に寄港の必要がありそう。

函館の手前 福島町 吉岡港

06/06/27(火)8時00分現在 N-41°27’510 E-140°17’638 北海道福島町吉岡港
昨日は荒天と霧のため吉岡港に寄港。現在は函館に向かって航海中。レーダーはあるものの使い慣れていないため濃霧に悩まされる。

06/06/27(火)18時30分現在 函館港 北海道太平洋岸は何処も濃霧注意報が出ている。必要以上危険な航海を続ける事を断念して陸路、札幌の知人宅、帯広の僕の所へ遊びに来る事にしたもようです。シェイクダウンは一時休止。ヨット乗り池川さんの判断は正しい。函館の観光スポット煉瓦倉庫街ひ停泊。観光客の写真のネタになる。

06/06/28(水)早朝、メイルで写真が届く。各日に配置します。下にもどってご覧下さい 少々の風が吹いても大丈夫な所に停泊の位置をずらし上陸、札幌へ向かう。

06/06/29(木)昨夜は30年前に太平洋単独航の途中タヒチでお世話になった水野さん宅に今度は夫婦でお世話になる。

06/06/30(金)昨日14時10分 帯広駅到着 以後飲み続ける・・・・・?UPはお休み

06/07/02(日)午後、3日間の帯広の休日を終え、函館に向かって田中家を後にする。写真は大樹町当縁湿原で遊ぶ和江さん

06/07/03(月)函館にて出航準備

06/07/04(火)函館を10:00am.に出航の予定。気をつけて行って下さい。函館港を出港する日お世話になった水野さん(金森倉庫の中でジュエリーショップをしていてヨットのお世話をしている)というヨット乗りに見送ってもらった。


06/07/04(火)18時45分現在 携帯電話はかかるが池川さんは出ない。多分、風呂にでも入っているのだろう。

06/07/05(水)7時45分現在 携帯通話圏外

06/07/05(水) 15時25分現在 N-40°30’422 E-141°56’520 濃霧の中三陸沖を航海中 小本港に向かう 
レーダーに映る200メートル先の本船(タンカー)が見えない。

06/07/06(木)7時40分現在 N-39°51’110 E-141°58’410 旧友小成さんの案内で小本港入港

小本漁港の反対側からちょっとカメラの望遠機能を使い写した花丸


岩手県下閉伊郡岩泉町小本の小本川河口にある。東洋一と説明書にあった津波よけのシャッター。年に一度訓練をする時に必要な電気代が50万円とは恐れ入る

06/07/07(金) 7時30分現在 小成さんのセットしてくれた小本港近くの温泉に宿泊、大名待遇を受ける。濃霧の為出航出来ない。


小成棟梁に手伝ってもらってメインマストに登り滑車の擦れ止めアルミの曲がった部分を切り落とす。その他にもヨット乗りにしか解らない痒い所に手の届くサポートをしてくださった。先ずは風呂、そしてビール、そのくらいまではだれでも解る。その先、船内にたまったゴミの処理、船の細かい整備まで手伝ってもらった。

滅多に見ることはないが上から見下ろした花丸は綺麗だ。小成棟梁曰く、まるでディンギーみたいな船型だなあ。そうなんです。「花丸」は軽くて、早くて波をデッキに上げない、直進性の良いディンギーみたいな船なのです。

06/07/08(土)7時45分現在 N-39°40’706 E-142°06’618 曇り、東の微風、機帆走。通話中イルカの大群に遭遇、池川さんはしゃいでいる。今朝4時50分小本漁港を出航。

06/07/09(日)7時40分現在 携帯通話圏外

06/07/10(月)5時40分現在 N-36°39’884 E-140°51’939 曇り 茨城沖を日立港へ向かう。燃料残り少ない。航海中料理を使用としている和江さん

06/07/11(火)濃い霧で朝から出航できないで居ます。港の中でエアーヘッジが通じるのでメールを一気にしています。

06/07/12(水)6時55分 携帯通話圏外

06/07/12(水)7時00分現在 N-36°21’070 E-140°44’040 曇り、弱い向かい風。今朝4時00分に久慈漁港を出航、新島に向かう。

06/07/13(木)6時50分 携帯通話圏外

06/07/14(金)6時30分現在 N-35°30’371 E-140°28’285 九十九里沖を航海中。昨日は潮流と強い向かい風の為難航、距離が稼げない。
燃料補給の為、14時に片貝港に入港。途中シイラを釣る。刺身にして食す。新島を目指す。

06/07/15(土)7時30分現在 N-34°25’568 E-139°15’590 新島付近に到着。これから前浜港入港。

06/07/16(日)7時30分現在 新島前浜港 これから行こうと思う方向から風が吹く(向かい風)出航するか、少し休むか思案中。新島の僕の友人、磯部八郎左衛門さん(通称かめさん)にお世話になった様で、亀さんの息子さんからメイルで写真が送られて来たが、殆ど壊れていて見る事が出来ない。下はかろうじて開けた写真。真ん中が亀さん。僕が会いたいのだ!
尚、僕は明日早朝車で帯広を出て、小樽からフェリーで新潟へと富士吉田での個展の旅にでます。ついでにあちこち遊んで来ようと思いますので、誠に残念ながら、池川さん夫妻と花丸のシェイクダウン記はここで中断せざるをえません。僕が帯広に帰る頃には多分、花丸は本州一周を終えて松山に着いていることでしょう。この間も池川さんとは連絡をとってはいますので帰ってから、日本地図に残りのと池川さんから届いた写真を貼って仕上げます。又覗いて下さい。

06/07/17(月)N-34°19’350 E-135°59’002 曇り5時30分 新島前浜港を出航三重県に向かう。 

写真はパソコンに表示されるC−mapとGPSを連動させた電子海図です。
今回は紙のチャートは一枚も積み込んでいませんでした。
赤い線が予定航路。
緑の線が黒潮に押し流された花丸の航跡です。
航跡の先に白く丸があるのが自分の船の位置で、
船の進行方向は白いバーがでている方向です。
左中少し下にあるのが和歌山県の潮岬です。

新島から那智勝浦宇久井港に入港するまでの行程でピースボートと船腹に大きく書いた船に合いました。

06/07/19(水) 和歌山県那智勝浦宇久井港 犬の散歩で知り合った槇野さんという人にお世話になりました。漁協に係船手続きをしてくれ、燃料やさんを手配してくれました。

06/07/20(木) 県那智勝浦宇久井漁港で雨と霧で港に閉じこめられています。普通バラストの長いヨットは入ってこない港だそうです。何時出航できるかは不明です。

紀伊水道で思いきり最後に吹かれましたが花丸は何の問題もなく乗り切り徳島港へ入港しました。
橋が架かり港が使われなくなり港の事務所や桟橋は無用の長物となっている。

これは小鳴門という鳴門の瀬戸の四国側にある運河のような通路です。鳴門の渦潮の渦巻く海峡の西にある瀬戸を抜け小豆島に向かう潮の転流とともに一気に小舟が小鳴門に向かい殺到する。

小豆島池田港のゲスト桟橋。 

06/07/24 N-33°57’03 E-132°46’22 3時00分母港である柳原港に無事に入港した

06/07/30(日)僕の二週間の旅の間に花丸のシェイクダウン航海は無事に終わっていました。この間は途中の携帯連絡と池川さんが送ってくれた写真を纏めて掲載します。最後になって中途半端になってしまって大変申し訳有りませんが、これは僕が全くヨットを知らず花丸の歩みが予想出来ないままにこの記を始めた事に寄るものです。多分僕の所に来てくれるだろうと毎日白地図にを置くのを楽しみにしました。霧があまりに深く結局十勝港までは来れませんでしたが、それでも花丸は本州を一周した事になります。シェイクダウンはあくまで試運転です。自作艇『花丸』の試運転で大きな問題もなく本州一周をやってしまう池川さんご夫婦とは、もしかしたらただの飲ん兵衛ではなかったのかも知れません。自然を愛し、自然に愛され、人を愛し、人に愛され、理を愛し、そして酒を愛す、その事を彼に言わせれば「わしは自分の事しか考えておらんけん、」と言うでしょう。多分来年には太平洋に出て行くでしょう彼等に大いなる神のご加護の有らん事を願ってこの記を終わります。尚、詳しくは池川さんのホームページ http://www2.odn.ne.jp/ikegawa-yacht/をご覧下さい。